2011年3月11日に発生した東日本大震災から10年が経過しました。
それまでの予想よりもはるかに大きな地震と津波は、そこに生きる人々だけでなく、日本、また世界の人々に大きな衝撃を与えました。そして、震災後の様々な人による絶え間ない取り組みは、新たな社会そして価値観を静かに創り出してきたと言っても良いでしょう。
今回、東日本大震災の関連研究、そして、なぜ地球にはこのような現象が起こるのかということを、それぞれの分野で追求し続けてきた第一人者たちを迎え、多岐にわたる現象を調査することで新たに得られた知見、これらの現象を含めた「地球」そのものの営みについて講演を行います。
科学的な手法を用い、起こった現象を真っ直ぐに見つめることで、新たなる知見を得て、新たな一歩を踏み出す、そして人々に寄り添う。
自然科学研究を通じたそのような社会の実現の一端を感じていただけることと思います。
登壇者

小平秀一
海洋研究開発機構地震津波海域観測研究開発センター長/東北大学客員教授
専門は海洋底地球物理学、構造地震学。海地震調査研究推進本部地震調査委員会委員。地震発生帯活動、海洋性島弧形成、海洋地殻掘削などに関する様々な国際プロジェクトで世界をリードする研究成果を発信している。
平塚明
NPO法人日本ビオトープ協会顧問/岩手県立大学名誉教授
専門分野は植物生態学。高田松原津波復興祈念公園空間デザイン検討委員会、岩手県河川・海岸構造物の復旧等における環境・景観検討委員会、岩手県環境影響評価技術審査会など国や県の環境アセスメント関係の委員を長く務める。東日本大震災以降、ミズアオイの復活について調査し、保全活動を続けている。


平朝彦
東海大学海洋研究所所長/海洋研究開発機構前理事長/東京大学名誉教授
宮城県仙台市出身。地質学を専門とし、プレートテクトニクスモデルに基づく日本列島の形成を確立、また、海洋・地球・生命・人類の統合的理解の推進と社会との協創による地球の未来の創造を追求してきた。プレート沈み込み帯における付加作用の研究で、2007年に日本学士院賞受賞。日本とフランスとの学術協力やハイレベル共同計画に参画等、多大な功績が認められ、2018年フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章シュバリエを受章。長きにわたり国際深海掘削計画に関わり、地球深部探査船「ちきゅう」の初代プロジェクトリーダーとして地球科学研究をリードしてきた。
今村文彦
東北大学災害科学国際研究所所長
主な専門分野は津波工学と自然災害科学、津波数値解析や予警報システム、津波 防災技術開発など。東日本大震災復興構想会議検討部会、中央防災会議東北地方 太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会、宮城県震災復興会議などのメンバーを務める。FM仙台のSUNDAY MORNING WAVE「地震に自信を」パーソナリティ。平成25年度NHK放送文化賞、令和2年濱口梧陵国際賞(国土交通大臣賞)などを受賞。

2021年10月30日(土)13:30〜16:10
スリーエム仙台市科学館
先着100名
終了しました。
プログラム
13:30-14:00
東北沖地震から学んだこと 〜10年間の研究で分かったこと、まだ分からないこと〜
小平秀一(海洋研究開発機構海域地震火山部門長/東北大学客員教授)
14:00-14:30
津波浸水域のミズアオイから見た植物界の復興
平塚 明 (NPO法人日本ビオトープ協会/岩手県立大学名誉教授)
14:30-15:00
真実は机上にあらずしてフィールドにあり 〜大地の動きを見つめ、地球の謎を紐解く〜
平朝彦(東海大学海洋研究所所長/海洋研究開発機構前理事長/東京大学名誉教授)
10分間休憩
15:10-16:10
パネルディスカッション
テーマ:震災10年、東北から地球を見つめる
モデレーター:今村文彦(東北大学災害科学国際研究所所長)
パネラー:
小平秀一(海洋研究開発機構海域地震火山部門長/東北大学客員教授)
平塚明 (NPO法人日本ビオトープ協会/岩手県立大学名誉教授)
平朝彦(東海大学海洋研究所所長/海洋研究開発機構前理事長/東京大学名誉教授)
平塚明 (NPO法人日本ビオトープ協会/岩手県立大学名誉教授)
平朝彦(東海大学海洋研究所所長/海洋研究開発機構前理事長/東京大学名誉教授)